試掘調査(令和7年度)一覧

令和7年4月30日 小原田町で試掘調査を実施しました

文化財調査研究センターでは、遺跡等の範囲内で住宅建築などの開発が行われる際、埋蔵文化財の有無を確認するため試掘調査を実施しています。

今回は、郡山市内が満開の桜で色づいていた4月中旬、市内小原田で実施した試掘調査をご紹介します。

調査地の中ほどにトレンチを設定すると、少し水を含んだ黒っぽい土の中から、古墳時代から奈良時代のものと思われる、土師器や須恵器の破片が出土しました。
そこからさらに下へ掘り進めると、地山付近から縄文土器が見つかりました。

過去に周辺で行った調査の結果とあわせると、土器が見つかったあたりには東西方向の谷があったことが推測されます。
この谷は縄文時代から古代まで数百年にわたって開口していたようです。

出土した遺物を整理しているところです。
バラバラになった破片を接合し、土器の本来の形を復元していきます。

2025年04月30日

令和7年5月30日 郡山市内で試掘調査を実施しています

文化財調査研究センターでは、遺跡等の範囲内で住宅建築などの開発が行われる際、埋蔵文化財の有無を確認するための試掘調査を実施しています。
5月は14件の試掘調査を実施しました。
その中から一部の調査成果についてご紹介します。

富久山町の釜沼遺跡では、縄文土器のかけらが出土しました。
写真左上の土器片には、縦方向の波線(結節縄文)が施されていることから、縄文時代中期初め頃(約5,500年前)のものと考えられます。

縄文時代のうち、人口や集落の数が増大する時期が中期で、郡山市内では妙音寺遺跡(富久山町)やびわ首沢遺跡(熱海町)などが調査されています。

安積町の篠川館跡は、鎌倉時代の佐々河城跡や、室町時代の篠川御所の比定地として注目されています。
試掘調査では、中世に城が造られる以前に使われていた、古代の須恵器片が出土しました。

長頸瓶(ちょうけいへい)と呼ばれる、胴体の上に長い頸の付いた瓶の一部のようです。
お酒などの液体を入れるために使用されたと考えられています。

2025年05月30日