発掘調査(令和7年度)一覧

令和7年9月1日 正直古墳群第7次発掘調査を実施中!

先月の中旬頃より、市内田村町に所在する正直古墳群の発掘調査を実施しています。
現在調査している古墳は、古墳群の西側に位置する23号墳です。

23号墳は昭和期に発掘調査が行われており、木炭槨が発見されています。
今回の調査では、未だ推測にとどまっていた墳形や墳丘規模などを明らかにしていきます。

調査の模様は随時お知らせしていきます!

2025年09月01日

令和7年9月3日 清水台遺跡第41次発掘調査がスタートしました!

前回の記事で紹介した正直古墳群第7次発掘調査に続いて、9月清水台遺跡の発掘調査がスタートしました。
清水台遺跡は、古代安積郡の役所(郡衙)が設置されたと考えられている遺跡です。
これまでの調査で、郡役所に関連する建物跡などが多数見つかっています。

重機で表面の土を取り除くと、遺構がぼんやりと見えてきました。
白い線を引いたところが遺構のラインです。
複数の竪穴建物跡が重なり合っているようです。

遺物も少量出土しています。
写真の土器片は、高坏の脚部と思われます。
古墳時代中期の特徴をもつ土器で、郡役所が設置される前に人が暮らしていたことがうかがえます。

2025年09月03日

令和7年9月26日 清水台遺跡第41次発掘調査(その2)

お彼岸が過ぎ、厳しい暑さがようやく落ち着いてきましたが、今日の郡山市は夏日となりました。

清水台遺跡の第41次発掘調査が続いています。
遺構の掘り込みを進め、現在古墳~奈良時代の竪穴建物跡が約5棟、掘立柱建物跡の柱穴も見つかっています。

複数の遺構が重なり合っているため、遺構の掘られた順番や、使われた時期を把握するのが難しく、慎重に検討する必要があります。
調査員の腕の見せ所です。

2025年09月26日

令和7年10月10日 正直古墳群第7次発掘調査(その2)

先月ご紹介した、正直古墳群第7次発掘調査の続報です。

 

現在調査している23号墳の周辺には、正直館跡という中世の城跡が存在し、城に伴う堀跡や土塁なども残っています。
(2枚目の写真について、左側の盛り上がりが土塁、右側の窪み部分が堀跡です)
今回の調査を進めていく中で、正直館の普請に伴い古墳や周辺の地形が改変されていることが明らかになってきました。

23号墳の西側で周溝が発見されました。
ほかのトレンチでも周溝が確認されれば、古墳の直径を明らかにすることができます。
周溝の上には礫の混ざった層が堆積していました。
正直館跡の堀を掘った際に生じた土を埋めたものと考えられます。

2025年10月10日

令和7年10月30日 清水台遺跡第41次発掘調査(その3)

前回の記事までで紹介していた調査区は、空撮の後に埋め戻し、残りの調査区西側部分の掘り込みを進めました。
ここでも、竪穴建物跡や掘立柱建物の柱穴が複数見つかっています。
その部分も埋め戻し、現地作業が無事に終了しました。

調査区の面積に対して、遺構の密度が非常に高い調査となりました。
令和2年に実施した第40次調査では、郡庁と思われる建物の柱穴が見つかりました。
郡庁は実際に政務を行う施設で、郡役所において非常に重要な施設です。
そこから北西に約100mに位置する今回の第41次調査区は、清水台遺跡の中心部に近い場所であったことがうかがえます。

報告書の刊行に向けた整理作業を進めています。
遺物の量も膨大です。

2025年10月30日