先月の中旬頃より、市内田村町に所在する正直古墳群の発掘調査を実施しています。
現在調査している古墳は、古墳群の西側に位置する23号墳です。
23号墳は昭和期に発掘調査が行われており、木炭槨が発見されています。
今回の調査では、未だ推測にとどまっていた墳形や墳丘規模などを明らかにしていきます。
調査の模様は随時お知らせしていきます!
先月ご紹介した、正直古墳群第7次発掘調査の続報です。
現在調査している23号墳の周辺には、正直館跡という中世の城跡が存在し、城に伴う堀跡や土塁なども残っています。
(2枚目の写真について、左側の盛り上がりが土塁、右側の窪み部分が堀跡です)
今回の調査を進めていく中で、正直館の普請に伴い古墳や周辺の地形が改変されていることが明らかになってきました。
23号墳の西側で周溝が発見されました。
ほかのトレンチでも周溝が確認されれば、古墳の直径を明らかにすることができます。
周溝の上には礫の混ざった層が堆積していました。
正直館跡の堀を掘った際に生じた土を埋めたものと考えられます。
前回の記事までで紹介していた調査区は、空撮の後に埋め戻し、残りの調査区西側部分の掘り込みを進めました。
ここでも、竪穴建物跡や掘立柱建物の柱穴が複数見つかっています。
その部分も埋め戻し、現地作業が無事に終了しました。
調査区の面積に対して、遺構の密度が非常に高い調査となりました。
令和2年に実施した第40次調査では、郡庁と思われる建物の柱穴が見つかりました。
郡庁は実際に政務を行う施設で、郡役所において非常に重要な施設です。
そこから北西に約100mに位置する今回の第41次調査区は、清水台遺跡の中心部に近い場所であったことがうかがえます。
報告書の刊行に向けた整理作業を進めています。
遺物の量も膨大です。